どーも。昔住んでた駅がちょうど東京駅から600kmの距離だった男…
JRはそのあまりにも長大すぎる路線網のおかげで、長距離を乗車すればするほど料金がかさんでしまうジレンマに悩まされている。
その点において飛行機の方が空港さえあれば移動時間と料金で優っている。
いちおうJRにはある一定以上の長距離になれば短距離の時よりも料金の上がり方が穏やかになるような料金設定になってはいるが、それでもやはり焼け石に水だ。
またこれとは話が別になるが、JRの切符を「200km以上の距離」かつ「特定の都市から乗り降りする」ような切符を購入した場合に実際の距離よりも安く発売されることがある。
しかしこれには実は意外と気がつかない「落とし穴」が仕掛けられていて、本来ならもっと便利に使えるシステムをみすみす殺してしまうことになる。
今回はこの実はトラップだらけのJRの切符を一番トクするように買うための解説をする。
もくじ
特定都区市内制度とは
かつてJRの切符が今のように「マルス」という端末を利用してコンピューター管理されておらず、硬券と呼ばれる画用紙よりもさらに硬い紙でできた切符を常に駅に常備していたころ……
膨大な行き先の硬券を保有しておくのは手間な上にストックが尽きた時は業務に多大な支障をきたしていた。
その対策として利用者の多い大都市などの周囲にある駅を、起点となる駅とすべて同一の距離や運賃という扱いにすることによって作業の簡略化を図った。
ちなみにこの制度は距離が100kmを超えていてかつ200km以下の場合は対象外となるのだが、乗り降りする駅のどちらかが山手線内であった場合はこれとほぼ同じ条件で切符が発売される。
この場合、仮に池袋から新宿経由で甲府に向かうとすれば「東京山手線内→甲府」となり、東京駅からの運賃で計算される。
特定都区市内制度のトラップ
紙の切符を駅で買った場合に限定される
特定都区市内制度は基本的に本来払わなければならない運賃よりも得する場合が多いので便利な制度ではあるが、いくつかのトラップが存在する。
また東京都区内にあたる「東京駅」は新幹線と在来線のきちんとしたターミナル駅になっているが、大阪市内にあたる「大阪駅」はターミナル駅ではあるが新幹線駅ではない。
新幹線駅の新大阪駅とは一駅離れていて「大阪市内」の切符でなければ追加で運賃が必要になる。
ただ実はこれは割と大したトラップではないのだが、ほんとうのトラップは「途中下車」ができないことにある。
特定特区市内から乗ると「途中下車」に制限が
特定都区市内制度が適用される200km以上の切符だと「途中下車」が可能になる。
基本的に途中下車は片道100km以上の乗車券で大都市近郊区間でなければ可能なのだが、特定都区市内制度が適用されている乗車券だとそのエリア内で途中下車ができないようになっている。
例えば東京都区内から大阪市内の切符がある場合、秋葉原から乗車すると東京駅では途中下車できず改札を通ると切符は回収されてしまう。
トラップを回避するコツ
そもそも特定特区市内から購入しない
このトラップを回避するコツがある。それはそもそもこの制度が適用される駅から購入しないという方法だ。
これは例えば「さいたまスーパーアリーナでライブがあるけど東京観光もしたいからホテルは東京で」なんていうときに、とりあえず東京駅までの新幹線の切符と一緒に乗車券も買うことが多いので東京都区内までの切符が発売されるだろう。
しかしどのみちさいたまスーパーアリーナの最寄り駅のさいたま新都心まで乗るのだからそこまで買ってしまえばいいのだ。
そして大阪から新幹線で東京まで来たらそのまま自動改札を抜ける。
そうすると乗車券はまだ先のさいたま新都心まで残っているため改札機から出てくるのでそれをきちんと回収しよう。
「長距離移動の切符」であることの意味
その先は地下鉄などを使ってホテルへ向かうなどし、ライブに向かう際はまた東京駅からJRに乗ればその切符を使うことができる。
こうすることによって原則として「短距離よりも長距離の方が安い」ためトータルで必要な運賃が1000円程度下がってくる。
トラップを回避したうえでさらにお得に
往復おなじルートで行けば割引がある
先ほどさいたまスーパーアリーナに行くならさいたま新都心で云々という話をしたが、もし仮に大阪市内から出発するのであればさらにお得に切符を買おう。
JRの切符は先ほどから何度も何度も「長距離の方が安い」と言っているが、実はさらに「往復おなじルートで行けばもっと安い」というルールが存在する。
あえて遠くまで買うことで安くする裏技
今回伝える方法はあえて片道の料金では高くなったとしても往復で考えると結果的に安くなっている、というものである。
それは「往復割引」というもので、600km以上の切符を往復同じルートで購入した場合に自動的に適用される割引で乗車券の購入額が1割引きになる。
例えば大阪市内から東京都区内までの切符の場合は600kmに満たないため片道で8750円、往復で切符を購入したとしても17500円になる。
しかし大阪市内から600km以上の距離にある東北新幹線の小山駅までだと距離は637km、料金は片道だと9610円だが往復料金は17280円となり距離が延びているにも関わらず運賃は220円安くなっている。
記事のまとめ
というわけで今回は「知られざるJRのお得なルール」について解説しました。まとめるとこうなります。
- 200kmを超える移動だと特定特区市内がひとまとめになる!
- 特例特区市内から乗ると「途中下車」に制限がかかってしまう!
- 600kmを超えると往復おなじルートで行けば1割引き!
結論:ルールを知ってJRをもっとお得に。
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