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JR羽田空港線ができるとどうなるのか

どーも、コロナのせいで目論見は大幅に狂ってしまったけれども羽田空港に近い場所に引っ越した男……

羽田空港へのアクセス手段といえば東京モノレール、京急、バス、タクシーそして自家用車だろう。さすがに自転車や徒歩で行くよという人は喜憂だと思うがいたら申し訳ない。

今鉄道業界で話題のものといえばリニア中央新幹線ともう一つ「JR羽田空港線(仮)」だろうか。他にちょっと思い当たらなかった。E131やE235の千葉方面の話題はもう引っ越したので興味がわかなかった。

1年間お世話になった千葉県に対してなんて冷たい

さて正直なところ、羽田空港にこれ以上アクセス手段なんて必要なのだろうかと思う人もいるだろう。著者もその一人だ。

2021年に開催できるかどうかも不明な東京オリンピックにももちろん間に合うわけもなく、大阪万博にも間に合いそうにないJRの新線はそういった「特需に間に合わない」だけでなく他の理由でも「作って大丈夫か?」という疑問が浮かんでくる。

というわけで今回はJR羽田空港線って誰のために作るのか、ということを解説していこう。

間違いなく便利になるとは思われるJR羽田空港線

最初に挙げた通り今のところ羽田空港へのアクセス手段は鉄道が二つとあとは道路を使ったものだ。JRが増えると鉄道でのアクセスが三つになる。

そんなに要るもんなんか?

日本の空港において三つの鉄道が乗り入れているところは今のところなく、多くても二つで羽田空港の他に関西空港と成田空港がそれぞれJRと南海や京成とが乗り入れている。

羽田空港は日本最大の空港で利用者数は他の空港よりも頭ひとつ飛び抜けている。

なのでアクセス手段が増えることは利用者目線で言えば間違いなくメリットが大きいことだ。

経営的にも存在感も何もかもがやばくなる東京モノレール

しかし何もいいことばかりではない。

特に既存のアクセス手段を運営する会社にとっては一大事だ。

特筆すべきなのは東京モノレールだ。

東京モノレールは羽田空港に行くために作られて、今でも利用者の大多数が羽田空港へ向かう人々で構成されている。

たしかに途中駅の天王洲アイル駅周辺には再活発により大企業のビルがあり、大井競馬場前・流通センター駅では大規模な倉庫群がある。また羽田空港内にも整備場・新整備場駅があるため空港関係者の利用があるとは言えそれは一部に過ぎない。

東京モノレール各駅の1日の利用者数は23区内であるにも関わらず1000人を下回る駅もある他、1日1万人以上利用する駅も始発である浜松町と空港ターミナル3駅に加えて天空橋・天王洲アイルのみでそれ以外は5000人程度の利用者となっている。

東京モノレールにとってどうしてJRが脅威になるのかというと、そもそも東京モノレールはJR東日本の子会社なのだ。

都内各地へ向かう際にどうしても浜松町で乗り換えなければならないために、山手線内であれば羽田空港から500円で行ける切符を発売しているがこれもJRが直接乗り入れてしまえば存在感が薄れてしまう。

またその正規運賃も微妙で同じく羽田空港へ乗り入れている京急と比べてずいぶんと割高だ。しかも乗り換え時間も含めると浜松町から山手線の反対側である渋谷新宿池袋方面はもちろん、東京や上野方面ですら京急の方が安くて速いこともある。

現状でも京急になすすべなくやられている感が否めない東京モノレールだが、JRが直接乗り入れてくるとますます現状が厳しくなるのは間違いない。

しかも苦しくされる要因が親会社と来たのだから東京モノレールは座して待つしかない。以前JR東日本も廃止にする予定はないと言っているのでまさかなくなることはないと思うが、30年前には羽田空港が再国際化するなんて誰も思わなかったように何が起こるかわからない。

外国人利用客には見向きもされなくなるかもしれない京急

京急は京急で深刻な不安がある。

JRが乗り入れてくることでおそらくだが外国人利用者は多くがJRを利用するようになってしまうだろう。

海外からの旅行者へ向けてJR各社は合同でジャパンレールパスを発売していて、利用期間と値段に差があるものの概ね「期間中JR各線が乗り放題」になる。

これがあるおかげで外国人旅行客は国内を移動する際、のぞみや一部の新幹線、特別列車をのぞいてほぼ全ての列車を定額で利用できる。

成田空港から来る成田エクスプレスの利用者の多くが外国人で占められているのは日本人はスカイライナーを使った方が安い上に速いが、外国人はジャパンレールパスのおかげで成田エクスプレスなら追加料金が不要だからなのだ。

JRが乗り入れると羽田空港では同じことが起こるだろう。

実際海外旅行客からはJRが乗り入れていない羽田よりもJRで行けて東京駅や渋谷新宿池袋などから乗り換えなしでアクセス可能な成田空港の方が一部では人気があると言われている。

まして2020年より成田から羽田へ発着空港を移している海外の航空会社も多い中でますます増える羽田空港を使う外国人は微々たる額とはいえ追加料金がかかるし使い方もわかりにくい京急よりもJRを使うことだろう。

バス会社も気が気でない

基本的に空港へのアクセス手段のうち、最もダメージが少ないのはタクシーとバスだろう。タクシーを使う層は一定数必ず存在するしそう言った人々が今更JRを使うとも思えない。

しかしバスは違う。

今バスを使って空港に来ている人々のうち一定数は「空港まで乗り換えなしで行けるから」という人々だ。

確かに大きな荷物を持っていることが多い飛行機での移動において、乗り換えの手間は普段の通勤通学よりも大きいものだ。

バスを利用すれば乗り換える必要も混雑に揉まれる必要もなく、バスは保安検査場と同じフロアに到着するのでそこからの移動もスムーズだ。

だがJRが直接乗り入れると一部の人々は今よりも最寄りの駅から乗り換えなしで羽田空港まで行くことがバスでなくても可能になる。

乗り入れに際して特急が新設されるかどうかは不明だが、少なくとも15両編成の列車が乗り入れるとされているのでグリーン車も連結されているものが使われるだろう。

バスの欠点は定時性が低いことだ。著者も千葉県の自宅からバスに乗った時、首都高の事故渋滞で遅延が見込まれるため経路を変更して行くなどのことが多々あった。

その際は湾岸線を経由するルートではなく、真逆のアクアライン経由で行ったのでバスが来てから「通常よりも時間がかかりますけど大丈夫ですか」と言われた。

だがそんなバス停で言われても他に移動手段などないので乗るしかないのだが、余裕がない時間に飛行機を予約していれば乗れないこともあるだろう。

なのでバスで空港へ向かう際は電車で行く場合よりもかなり余裕を持っていかなければならないが、鉄道であれば人身事故などで遅れる可能性はあってもバスよりはましだろう。

地味に困るのは羽田空港から舞浜・ディズニーリゾートへ向かうバスを運行する会社だろう。

現状都心へ向かうバスと同レベルかそれ以上の頻度で運行されている上に、コロナの前は平日であっても終日満席運行していた。

JR羽田空港線はりんかい線と新木場駅を経由して舞浜駅まで直接乗り入れを計画している。

本数にもよるだろうが列車1本あたりの輸送力が桁違いなので多頻度運行された暁にはこの路線の運行は消滅してしまう可能性が高い。

かなりのドル箱路線を失う可能性があるのだ。

JRも非常に困る

そんな既存のアクセス手段を脅かすJR羽田空港線だが、運営するJR東日本も利用者を奪えてウハウハ、ともいかないから難儀な話だ。

JR羽田空港線は建設を急ぎたい政府からの提案で自力で建設するのではなく、国が建設してJRへ貸し出す方式になった。

これによってJRは初期投資を抑えてなおかつ自力で建設するよりも早急に開通まで漕ぎ着ける。

ただ今のところ建設費がどの程度になるのかは未定だ。

唯一の救いとしては新規で建設しなければならない区間がそこまで長くないことだろう。

JR羽田空港線は既存の貨物線を旅客線に転用したり休止中の路線を復活させるところが多い。

実際現在も羽田空港の敷地内の地下をJRの貨物線が走っており、そこから空港ターミナル直下まで線路を分岐させるため、新規で建設しなければならないのは羽田空港内で済む。

しかしそもそも羽田空港は東京湾に面した軟弱な地盤の上に作られていて、なおかつ上には空港施設と既存の鉄道、そして首都高が走っている。

いくら日本のトンネル掘削技術がかなり高いとはいえ相当な難工事になるのは目に見えている。

そう言った上にある既存の設備に配慮しながら建設しなければならないのだから、短い新設区間であっても建設費はかなり高額になることであろう。

また、羽田空港駅をどこに設置してどこでターミナルと接続させるかも課題のひとつだ。

現在東京モノレールと京急は第1・2ターミナルでは地下1階で接続して、ホームはさらに地下だ。第3ターミナルでは東京モノレールが地上駅舎、京急が地下駅舎になっている。

まだつくられてそう日が経っていない第3ターミナルならモノレールは地上にあるし、新たにJRの改札を設置することもそう難しくないかもしれないが、現状でもギリギリで余裕のない第1・2ターミナルには穴を掘ればできる駅よりもそこからどうやってターミナルまでつなげるかが問題になるだろう。

このようにそもそも建設費がいくらになるかが様々な理由によってわからない状態になると、貸し出された際に支払わなければならない使用料にも影響してくるためJR東日本にとってはなかなか厳しい戦いを強いられることになる。

でもJRと繋がったらだいぶ便利になって多くの人が使ってくれたらそんなん関係ないんちゃうん?

多くの人が使ってくれたらな

外国人観光客が使っても儲からないJR羽田空港線

京急とモノレールはJRが乗り入れてくることによってジャパンレールパスを使う外国人観光客はこぞってJRを使うようになることが予想されるため、利用者が減ることは免れないだろう。

これは確かにJRの利用者が増えることを意味している。

いや0からのスタートなのだから増えるという表現はおかしいのだが、しかしことジャパンレールパスを使ってJR羽田空港線に乗られても「JR東日本はぜんぜん儲からない」のだ。

そもそもこのジャパンレールパスは同じくJR各線が乗り放題になる青春18きっぷと比べても破格の安さでしかも特急や新幹線なども原則追加料金不要で利用できるのだから著者が外国籍を取得してでも使いたいと思うような代物だ。

ジャパンレールパスの売り上げの分配方法は公表されていないので推測することしかできないが、少なくともその安すぎる切符の値段からしてさほど儲からないことは容易に推察できる。

また仮に羽田空港からジャパンレールパスを使えるようになることで、JR全体で利用者が増えて収益がプラスになるという考え方もあるがそれは見当違いだろう。

そもそもジャパンレールパスは来日してから購入できず事前に母国で購入しておいて、日本では切符と交換することしかできない。

つまりなんとなく日本に来て看板を見たからJRとジャパンレールパスで観光しよう、とはならないしできない。

なので仮にJR羽田空港線がなくてもモノレールや京急で品川や浜松町までやってきて、そこから新幹線なり在来線なりにでも乗って観光する人の数は変わらない。

便利になるのは間違い無いけどジャパンレールパスを使う人ばっかりに使われると、JR東日本は全然儲からへんってことなんか

来日する外国人旅行客全員がジャパンレールパスを使うわけではない。だが単に訪日旅行客をあてにするのであればそれは皮算用が過ぎると言える。

15両編成の列車をどこで確保するのか

JR羽田空港線は現在のところ羽田空港から貨物線を通り途中、りんかい線に転線して新木場・舞浜方面に向かう路線、同じくりんかい線で新宿方面へ向かう路線、そしてさらに貨物線を進んで田町駅周辺で東海道線と合流した後上野東京ラインへ直通する路線の3つが計画されている。

だがしかしこのうち新木場・舞浜方面へ向かう路線以外は現実的にいろいろ課題をクリアしないと無理かもしれない。

そもそも直通先の上野東京ラインとりんかい線大崎から先の埼京線はただでさえ線路容量に余裕がなく増発ができないでいる。

特に上野東京ラインは増発が難しく、品川発着の常磐線直通列車を除いてほとんどが東京以北以南を直通運転しており、今更そこに列車を増やせる余裕も運用を変える余裕もない。

品川発着の列車を羽田空港発着にすればある程度は現実味を帯びるものではある。

品川発着の常磐線直通列車は正直上野以南の乗車率はかなり低いので空港へ向かう旅行客が大きな鞄を持っていても邪魔にならないだろう。

しかし品川は2027年にリニア中央新幹線が開通すれば東京駅に変わる新たな東海道の動脈になるので、そこへ向かう利用者を手放すのはJR東日本にとってそれは得策と言えるのか疑問だ。

埼京線方面も同じような状況で問題になるのは折り返し設備に余裕がないことだ。

埼京線で折り返し設備があるのは起点である大崎と新宿、池袋とそこから先の駅だ。

大崎で折り返してしまうと都心へ直通する意味がなくなってしまう。なので新宿か池袋かさらに先の駅、となる。

しかし新宿は大宮方面からやってきた電車と相鉄直通線の電車が折り返しに使っているため実質線路が常に埋まっていて使えない。

池袋は折り返しのために転線する分岐器と引き上げ線はあるものの、ひっきりなしに列車がやってくる上に引き上げ線は池袋発着の成田エクスプレスが使っているので新宿よりはましではあるが「やろうと思えばできる」レベルなので現実的とは思えない。

池袋の先にある車庫まで毎回引き上げるなら話は別やけど運用効率が悪すぎるからJRはおそらくやらん

結局は池袋より先の駅での折り返しが必要になりダイヤや運用の大幅な変更が必要になる。

揚げ足をとるようだが埼京線やりんかい線、舞浜を通る京葉線を走る電車はどれも10両編成なので、15両編成の電車を乗り入れさせるには湘南新宿ラインか上野東京ラインの列車を連れてくるしかない。それでも10両編成の列車が一部にはいるのだが。


結論:無理して作る必要があるのだろうかと思ってしまった

都内を観光するにはJRより地下鉄が便利なのはわかり切っている話だが、JRが直通しても結局どこかで地下鉄に乗り換える羽目になるだろう。

そう思うと今のまま京急を結局使うのかなと思ってしまう。

京急と合わせて使う地下鉄のフリー切符とかもあったりするので、加算運賃がついてだいぶ割高になるであろうJRを使う機会は著者に限って言えば少ないだろう。

ただやっぱりなんと言っても羽田から新宿方面に直通するのは便利だろう。

今の羽田からではどうしても時間もかかるし乗り換えもあるしで面倒なところになるので、旅行者でそちら方面へ行く目的があるのであれば便利な路線であるのは間違いない。

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